産業技術連携推進会議 > 技術部会 > ライフサイエンス部会 > 医療福祉技術分科会

「第2回福祉技術シンポジウム」開催に当たって

 工業技術連絡会議福祉技術部会長 甲田壽男
 (工業技術院機械技術研究所首席研究官)

 1年間で68万人もの高齢者が増加するという世界でもまれな速度で高齢化が進む日本において、今年度のWHOの報告によれば健康寿命も74.5際と世界一になっております。このような高齢化社会において国家産業技術戦略の目標の一つに安心安全で質の高い生活の実現が謳われ、福祉技術の研究開発への期待も大きいものがあります。

 このような背景において、昨年10月末に、通産省傘下の研究所と全国の公設試験研究機関との連携を高めるために設けられた工業技術連絡会議に福祉技術部会が208機関536名の参加をもって設立されました。福祉技術が単なる研究の対象ばかりではなく広く現場を含めた多方面にわたることを鑑み、同時に工業技術連絡会議の運営改善の試みの一つとして、福祉技術部会では国立研や公設試等の推薦により企業・大学・個人の入会も可能としており、この部会の大きな特色になっています。

 昨年度の設立総会直後に開催されました第1回福祉技術シンポジウムでは、国立研通産省関係46名、公設試関係80名、大学関係7名、企業一般45名の178名の参加者があり、高齢者障害者向けの製品開発や解析評価技術など16件の事例発表が行われ、熱心な意見交換が行われました。これらの活動に関連して日本経済新聞(H11.11.29付)が夕刊の一面に報道し、また日刊工業新聞(H12.4.4付)でも高齢化社会のモノづくりの連載記事中で取り上げていただいたことは、福祉技術部会への期待の大きさを感じさせるものであります。

 今年4月から介護保険制度が施行され、福祉現場や福祉行政からの福祉技術への期待の一層の高まりが感じられ、高度情報化技術を取り込んだ福祉機器の研究開発の展開も見られたことから、第2回福祉技術シンポジウムを開催することになりました。 今回は福祉技術部会員の要望もあり、国際福祉機器展の開催時期に合わせ、交通の便の良い東京都北区の「北とぴあ」で開催する運びとなりました。また、財団法人日本産業技術振興協会の産学官地域技術交流会事業として開催することとなりました。ここに同協会を始め御尽力いただきました東京都立産業技術研究所、共催の東京都北区、また講演していただきました東京都の関係各位に心から感謝の意を表します。

ページ管理者:産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 高橋昭彦

最終更新時間:2009年06月19日 19時24分11秒